武藤のゴールは既に柿谷、大迫の上をいっている
武藤のこのワンプレーは、彼のストロングポイントが余すことなく凝縮されているものだった。私はそこから、代表の将来を背負うポテンシャル持った選手であることを感じ取った。
敵陣センターサークル付近で、的確な予測から相手のクリアボールを拾うと、猛然と速いドリブルを仕掛け、後方からのタックルにも倒れない強さを見せ、ペナルティエリアに迫ると、ディフェンス二人を置き去りにし、利き足ではない左足で強烈なシュートをゴール右隅に決めた。5日のウルグアイ戦でも、ゴールに最も近かったのは武藤だ。この時には左足のミドルシュートが不運にもゴールポストを叩いているが、この2戦で、新たにシュート力の高さも確認できた。
しかし、私が武藤が既に柿谷や大迫の上をいっていると言っているのは、このような選手としてのスキルだけを指しているものではない。
このプレー中での、本田との関りに注目するとそれが如実に明らかになるのだ。武藤がドリブルで持ち上がる中で、フリーの本田が斜め前方の視野に居た筈だ。その場合、代表実績の少ない選手ならば本田へのパスの選択肢を取るのではないだろうか。それも、必ずしもゴールの可能性の大きい方という選択ではなく、”遠慮”と見えてしまうもので。それが、本田というビッグネームとプレーする機会が少なかった若手の普通の姿だっただろう。ここが武藤ははっきりと異なる。常に得点の可能性を見極め、しっかりゴールを視野に入れ、本田のみならず、岡崎までも囮に使いながら、ディフェンスをかわしシュートに持っていったのだ。
